▶ キングスカイフロントの研究機関の一部を紹介①

ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)

▶ 基本情報

ナノ医療イノベーションセンター(iCONM〈あいこん〉・Innovation Center of NanoMedicineの略称)では、世界中の大学や企業から研究者たちが集まり、ナノテクノロジーを駆使した新たな医療技術を研究しています。

ナノ医療イノベーションセンター iCONM

「キングスカイフロント」の中心的な研究施設として2015年に運営を開始しました。

施設は4階建てで、薬などを作るために必要な研究が順序良くできるようにレイアウトされています。また、多種多様な研究者たちが交流できる「マグネットエリア」が各階に設置されています。

主に、がん、アルツハイマー病などの治療が難しい病気に対する新しい治療法を研究しています。また、新型コロナウイルス等の新たな感染症に対するワクチンや、早期迅速診断機器の研究開発なども行っています。

iCONM発の研究成果は、病気の治療・診断技術の開発と実用化のために、様々な研究機関や会社、新たにつくられたベンチャー企業などで利用されています。

iCONMでの研究の様子
研究設備
研究設備
iCONM施設内の様子

▶ 2045年の「体内病院」実現を目指して

「体内病院」とは、身体の中をウイルスサイズのナノマシンが24時間パトロールし、病気の予兆を発見・診断・治療まで行うシステムです。病院に行く手間や費用を減らし、病が気にならない社会にしたいと思っています。

▶ 様々な機能を持つ「スマートナノマシン」

ナノマシンとは、薬を封じ込めたナノサイズの極小カプセルのことです。ナノマシンに特別な機能を持たせたものをiCONMでは「スマートナノマシン」と名付けました。 ※「体内病院」「スマートナノマシン」はiCONMの登録商標です

スマートナノマシンが体内の異常に反応して薬を届け、病気に直接働きかける方法や、体外から刺激を与えてナノマシンの中の薬を反応させ、病気を治療する方法などがあります。

「体内病院」のイメージ
ナノマシンの大きさ

「ナノ」とは10億分の1という意味です。人の身長を地球の直径に例えると、30-50 nm のナノマシンは、サッカーボールほどに相当します。

「スマートナノマシン」による病気の治療例
標的のがん細胞だけを狙い、正常な細胞への影響を最小限に

▶ 文科省/JST 共創の場形成支援プログラム 川崎拠点

CHANGE

「プロジェクトCHANGE」が目指すもの:レジリエント健康長寿社会(体調を崩しても、誰もが自立した生活を営めるまでに回復できる社会)

その実現には、①治療技術、②検査・診断技術、③予防技術、④ケア技術が必要です。本拠点では、医工看連携によってそれらの研究開発を進めており、特に④の技術開発(看民工学)に力を入れています。

<参考>
プロジェクトCHANGEについてもっと詳しく知りたい方は:
CHANGE_pamp_2023_japanese (kawasaki-net.ne.jp)

1.日本の少子高齢社会について

日本の高齢化率(総人口に対して 65歳以上の方がどれだけ占めるかを示す数値)は 2022年10月時点で29%。少子化傾向により、2036年に33%、2065年には38%と今後も上昇傾向。今後の暮らしや医療にどんな影響が考えられますか?

2.超高齢社会における医療と保健

超高齢社会(高齢化率 >21% の社会)の日本では医療関係者が大忙し。医療従事者でなくても療養者を最低限看守りケアできることが今後必要となります。

高齢社会における医療の現在と目指す未来のイラスト

3.ケアコンピテンシーの必要性

このような社会の中で、私たち一人ひとりが自分自身や周囲の人々のより良い生活のために、主体的に行動することが求められます。

ケアコンピテンシー(=ケアする力)は、人々が自分自身や身近な人、地域の人々の健康を維持するための知識や技術を習得して活用することができる能力です。他者に対してケアを提供するだけではなく、ケアを受ける立場としてより良いケアを受けるための知識や技術も含みます。

すべての人が支え・支えられる両方の立場になり得る中、ともに「支え合う」共生社会をつくっていくうえで、市民一人ひとりに必要な力です。

ケアコンピテンシー(ケアする力)4つの要素

4.誰もが簡便に使えるケア製品の創出

新型コロナ感染症の在宅療養を可能にしたパルスオキシメーター(右図)。指先に挟むだけで、血中酸素飽和度 (SpO2)を測れる医療機器です。

以前は医師が動脈から採血するほかにSpO2を測定する術がありませんでした。採血される患者さんにとっても針を刺されるのは嫌なものですので、とても画期的な製品と言えます。

このように誰もが自宅でも簡便に使えるケア製品を創出することが、医療での看守りに繋がります。

パルスオキシメーター
キングスカイフロントの
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